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商業デブリ除去実証

2025.01.09

アストロスケールが、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と、2024年8月に契約締結
商業デブリ除去実証(Commercial Removal of Debris Demonstration:CRD2)フェーズⅡ、
契約額は約132億円(税込み)で、宇宙業界関係者から大きな注目を集めました。

この実証は、高度約600kmの地球低軌道(LEO:Low Earth Orbit)を周回する
大型デブリを捕獲・除去することを目指しています。

打ち上げの予定は、2026年度以降で、
成功すれば民間企業として世界初の大型デブリ除去となります。

欧州宇宙機関(ESA)によれば、現在、宇宙でおよそ3万5000個の物体が
地上の追跡ネットワークによって監視されています。
そのうち、9100個が稼働中の衛星、2万6000個が10cm以上のデブリとの事です。

これまでデブリ除去は、軍事ミッションとしては複数の実証例があるが、詳しい情報は公開されていません。
この実証に物体の大きさ以外に注目が集まる理由はもう1つ。
捕獲対象とするロケットの上段が「非協力物体」であることです。
非協力物体とはロケットの一部や運用が終了した衛星など、
接近・捕獲に必要な位置データの提供や姿勢制御といった協力が得られない物体を指します。
このため、難易度が非常に高いようで、安全に対象物へ接近し、捕獲する技術の確立が不可欠となります。