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マルチドメイン解析技術

2024.12.20

デンソーは東京科学大学などと手を組み、クルマの電気・機械・熱の連成解析技術の開発を進めている。
例えば、ECU(Electronic Control Unit)開発の早期段階でも最適な部品の組み合わせを見つけやすくなる。
狙いは、実車を使う場合に匹敵する高い精度の解析をコンピューター上で行うこと。

クルマのパワートレイン用ECUの状態は常に変化しており、
周辺温度が約100℃にもなることもあるため、電気・機械・熱の連成解析が欠かせない。
クルマの状態変化に対しての、解析精度向上のカギは定常状態の解析ではなく、過渡状態の解析にあるとしている。

デンソーは、パワーMOSFETを実測しモデルを開発。
それらをソレノイドバルブなどの電動アクチュエーターのモデリングに使えるようにした。
どちらかも計算量の小さな方程式(回路方程式や運動方程式など)ベースの1次元(1D)モデルながら、
計算量が大きい電磁界解析/有限要素法(FEM:Finite Element Method)ベースの
3次元(3D)モデルに迫る精度を担保できる。

また、モデルを広く業界内に公開し標準化する。
これらのモデルはVHDL-AMS(Very Highspeed integrated circuit Hardware
Description Language-Analog Mixed Signal)言語で記述することで、
この業界で広く普及しているVHDL-AMS言語の市販シミュレータとの連携を容易にし、
オンラインシミュレーターとして誰でも、どこでも解析が行えるようにしている。